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ノニト・ドネアの戦績と強さ・人柄とは?井上尚弥とのWBSS決勝戦の試合展開と勝敗を大胆予想!!

こんにちは、キックボクシング歴4年のナス・カズオです!

 

今回はいよいよ開催まで1ヶ月を切った、2019年11月7日(木)開催のWBSSバンタム級の決勝戦で井上尚弥(26=日本)の対戦相手となる、ノニト・ドネア(36=フィリピン)の戦績・強さとその人柄について紹介していきます。また素人なりに井上尚弥戦の試合展開を予想してみました。最近はボクシングテクニックを磨くキックボクサーが多くなっています。この一戦を楽しむとともに、ドネアのテクニックを盗みキックボクシングに活かしましょう!!

 

そもそもWBSSとは?

この一戦はWBA・IBF世界バンタム級王座統一戦ともなります。ちなみに世界的に認められているのはのWBA・WBC・IBF・WBOの4団体と言われています。そのうちの2つの統一戦となりますね。

 

 そもそもWBSSとは何か?という疑問があると思います。WBSSは「World Boxing Super Siries(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)」の略で、シンプルにいえば「その階級で世界で一番強い人間を決める」8人制のトーナメントです。主要団体だけでも4団体。スーパー王者、暫定王者、正規王者など1団体に2、3人王者がいる場合もあり、「いったい一番強いのは誰なんだ?」と誰もが思うフラストレーションを解決するのがWBSSなのです。

 

【目次】

 

ノニト・ドネアの戦績

細かい戦績はウィキペディアに譲り、非常にシンプルに紹介します。

 

・ 戦績は、45 戦40勝5敗(26KO)

・フライ級からフェザー級までの5階級制覇を達成

・アジア人初の主要4団体で世界チャンピオンを達成

・KO負けはフェザー級での、ニコラス・ウォータースとの一戦のみ

・WBSS・1回戦でライアン・バーネット(英国)に4回TKO勝ち

・WBSS・バンタム級準決勝でステファン・ヤング(米国)に6回KO勝ち(右ボディからの左フック)

 

5階級制覇っててどれくらいすごいの?

5階級制覇と聞いて「すごい!」と感じると思いますが、「今までに何人が達成したのか?」「何キロ増量したのか?」など誰しも思う疑問に関して調べてみました!!

 

5階級制覇したボクサーとその人数

 まず今までに5階級、6階級制覇を達成したボクサーの一覧を作成しました。ご覧の通り、5階級制覇はボクシング史上7人しか達成しておりません!!ちなみに4階級制覇は20人、3階級制覇は50人以上とけっこう人数が多かったです(о´∀`о)

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5階級、6階級制覇したボクサー(主要4団体)

出典:複数階級制覇Wikipedia

2014年5月31日にドネアはシンピウィ・ベトイェカに勝利しWBA世界フェザー級スーパー王者となり、5階級制覇を達成しました。またドネアは、アジア人初の主要4団体(WBA・WBC・IBF・WBO)を制しており、その点でも不世出のボクサーであることは間違いないでしょう。

 

近年著しい発展を遂げたフィリピンボクシング界

かつては無気力試合をするボクサーを量産しており、日本での試合を禁止しておりました。そんな中登場したのが、マニー・パッキャオでした。軸足が浮く、全身で飛び込むようなストレートで、KOを量産し史上2人目の6階級制覇を果たしました。マニー・パッキャオと共にフィリピンの国民的英雄として、レジェンドといってもいいノニト・ドネア。スピード、パワー溢れるドネアは、スピードを生かした強打が最大の武器です。パッキャほど強い踏み込みではありませんが、そのスピードを生かしたカウンターは爆発的な破壊力でKOの山を築きました。フィリピーノ・フラッシュ(フィリピンの閃光)というニックネームに、誰しも納得するスピードと一瞬で相手を倒す強打が非常に魅力的です。日本人とさほど体格の変わらないフィリピン人であるドネアが、5階級制覇できたのはフィジカルトレーニングのおかげと言われています。タイヤステップやラダートレーニング、腰に幅の広いチューブを取り付けたサスペンショントレーニングなどでスピード、パワー、アジリティ(敏捷性)を強化し、それを連携することにより数々の王座を獲得しました。

 

ノニト・ドネアはどのくらい体重を増やしたのか?

フライ級からフェザー級の5階級の王者となったノニト・ドネア。何がスゴイといえばその体重の増減幅です。フライ級のリミットは50.80キロ、フェザー級のリミットは57.15キロ。実に6キロ以上体重を増量しているのです。恐らく、脂肪を落とし筋肉をつける増量の仕方だと思いますが、一般の人では考えられませんね。ドネアの適性階級はバンタム級(リミット53.52キロ)と言われています。そして、今回のWBSSもバンタム級です。36歳となったとはいえ、適正階級のドネアは井上尚弥といえども決して油断は出来ないでしょう。

 

ノニト・ドネアの生い立ち

フィリピンで生まれ、米国でボクシングをはじめたノニト・ドネア

フィリピンで生まれたが、11歳の時にアメリカ・カリフォルニア州に移住。アメリカでは気弱で喘息持ちだったこともあり、自殺を考えるほどのいじめられっ子でした。しかし、兄が習っていたボクシングをドネアも始めてから自然と克服しました。アマチュアでは、15才でナショナルシルバーグローブ優勝、16才の時に、後にミドル級世界ランカーとなるジェームス・カークランドを破りナショナルジュニアオリンピックで優勝を収める。17歳でUSAナショナルトーナメント優勝。2000年、シドニーオリンピック代表選考にて兄とともにライトフライ級に出場するが、ブライアン・ビロリアに破れアメリカ代表にはなれなかった。後に階級をフライ級にあげ、2001年にプロデビュー。マイク・タイソンもそうですが、昔はいじめられっ子だったとは驚きですね!

 

日本文化に造詣の深い大の親日家

入場時には自身の愛称であるフィリピーノ・フラッシュのフラッシュを日本語にした「閃光」と書かれた鉢巻を巻いて入場するほど、日本文化に敬意を表しています。また日本のアニメや漫画も好きで、「スラムダンク」や「はじめの一歩」もお気に入りのようです。「はじめの一歩」の主人公・幕ノ内一歩の必殺技でもあるデンプシーロールからヒントを得て、「フラッシュステップ」でマヌエル・バルガスを翻弄し勝利を収めました。左右のステップから切れ間なく繰り出すパンチの嵐は、幕ノ内一歩の実写版のようです!インタビューでも「自分の攻撃は刀、相手の攻撃は竹刀。勝負は一瞬でつきます」といった趣旨のコメントもあり、侍や日本刀にも興味を持っていることが伺えます。井上尚弥を応援する人が大半でしょうが、ノニト・ドネアにも頑張ってもらいたいと思えるほどの親日家ぶりですね。

 

ノニト・ドネアの強さとは?

スピードとパワーを活かし、さらに相手の向かってくる力を利用した破壊的なカウンターで、KOを量産するのがドネアのスタイルといえます。また相手が下がれば自らスピードを活かしたコンビネーションで相手を沈めています。その得意な技、コンビネーションについて、簡単に列挙してみました!!

 

ノニト・ドネアの得意技とコンビネーション



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強烈な、左のカウンターを繰り出すドネア




・カウンターの左フック

・カウンターの左フックからの右ストレート。打ったあと、右足が前に出るほど勢いのある返しの右ストレートです。

・体ごとぶつけるように飛び込みながら打つ左フック、左アッパー

・左右にステップしながら、何発も打ち込む左フック右フック
・左アッパー左フックからの右のかぶせるようなフック。等など。

とにかく躍動感があり、パンチを打ったあと前につんのめるほどの勢いです。

 

ノニト・ドネアの見ておくべき試合

マヌエル・バルガス戦でのフラッシュ・ステップでの左右の攻撃は必見です。直線的な動きではなく、左右のステップを使った横の動き、アングルをつけての攻撃なのでガードしづらく、マヌエル・バルガスはそのステップと攻撃に翻弄され、最後に左アッパーで吹き飛ばされKOで破れました。長谷川穂積からWBCバンタム級王座を奪い去ったことでも有名な、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)を一発のカウンターの左フックでキャンバスに沈め、痙攣させた試合はドネアのスピードや強打を知るにはうってつけの試合です。ドネアのスゴさを知るのに、まずこの2戦を見ておけば間違いないでしょう。

 

ノニト・ドネアの人柄とそのエピソード

フィリピンではマニー・パッキャオと並びその名を知らぬものはいない国民的英雄である。日本でいえば戦後「空手チョップ」などの得意技で大活躍したプロレスラー・力道山みたいなものでしょうか。その人柄は人格者であり、非常にフレンドリーな性格で知られております。WBAバンタム級スーパー王者だった西岡利晃と2012年10月13日に対戦し、見事なKO勝利を収めていますが、西岡利晃がジムを開設したときに花を送ったり、TV番組「アナザー・スカイ」に出演した際、サプライズで登場したりなど、フィリピンの国民的英雄でありながら、決して驕ることのない非常に優しい人物です。また驚くべきことに過去に大橋ジムを訪れて、井上尚弥を指導しております。「お互い非常に尊敬しあっている。これがボクシングの本来あるべき姿だ」と相手をリスペクトしながらも、自身に満ちた発言をしており、その人柄・行動・発言も英雄にふさわしいものと言えます。

 

井上尚弥との相性

ドネアはカウンターの左フックが代名詞の強打者として有名ですが、意外と語られていないのがその耐久性です。

現在までに3敗していますが、実はKO負けはニコラス・ウォータースとの一戦のみ。ウォータースはフェザー級のハードパンチャーと言われているので、井上の強打で倒れるかがポイントです。井上尚弥はバンタム級としては規格外のパンチ力ですが、フェザーまで階級を上げて戦ったドネアの耐久性はどのくらい持つのか。スピードの差があまりなければ、中盤までもつれこむのではないのでしょうか?

 

井上尚弥戦・試合展開を大胆予想!

全体の試合展開

まず距離でいえば井上尚弥が「近距離・中間距離」。ドネアは「近距離」。スピードが充実していた数年前のドネアなら中間距離からの飛び込みの左フック・左アッパーをリードブローとした攻撃も多様しますが、井上とのスピードの差で、今回の決勝戦はドネアは「近距離」での攻撃がメインとなるのではないでしょうか。試合全体でいえば、井上尚弥の強打を警戒しドネアは、徹底して動き回りカウンターの左フック、返しの右ストレートを狙うでしょう。1ラウンドは井上尚弥が基本に忠実にジャブで相手のグローブをタッチし距離を測る。2ラウンド目以降、ジャブからのワンツー、ドネアがあまり前に出なければ、コーナーに追い詰め、左右のボディブロー、ボディーストレート、返しの顔への左フックなどを狙うでしょう。顔にほとんどもらわない井上尚弥にカウンターを当てるのは至難の技なので、年齢で10歳差のある両者のスタミナ差が現れる中盤に、圧力をかけた井上の左右のボディから返しの左フック、右フックなどの止まらないラッシュでダウンを奪われるのではないでしょうか?

 

井上尚弥の負ける要因

大方の予想は井上尚弥が中盤でドネアをKOする、だと思います。井上尚弥が負ける要因があるとすれば、自らのその破壊的なパンチ力で試合中に拳を骨折し、拳の痛みから躊躇して出した右ストレートに合わせた、少し遅れて出るドネアの左フックのカウンターをもらいKOされる可能性が考えられます。しかし、数々のボクシングの世界戦や著名格闘家のバンテージを巻くバンテージ職人「永末ニック貴之氏」が、その日の井上尚弥の拳のコンディションに合わせた巻き方をし、拳を痛めるリスクを最小限に抑えるので、可能性はとても低いと感じます。

 

決勝戦をおこなう日程と会場は?

日程は2019年11月7日木曜日、場所はPRIDEやRIZINも行われている格闘技の聖地、さいたまスーパーアリーナで行われます。日本のボクシング界にとって記念すべき一日となるでしょう!!

 

試合のテレビ中継をおこなうチャンネルは?

11月7日(木)19時57分~21時54分の2時間枠で、フジテレビにて生中継する予定です。また、WOWOWエキサイトマッチで11月9日(土)に放送予定だそうです。10月28日(月)の 「エキサイトマッチ~世界プロボクシング」ではWBSS決勝戦に先がけてこれまでの戦いを振り返るそうです。また、弟の井上拓真(23=日本)もWBC世界バンタム級正規王者ナルディーヌ・ウーバーリ(33=フランス)と王座統一戦を行います。今回は井上兄弟の夢でもあった兄弟で行う「ダブル世界戦」でもあるのです。フジテレビでの弟拓真の試合をノーカットで放送するかは不明ですが、WOWOWでは放送が決定しています。そして、あのジョー小泉*1さんの解説が今年5月に1年ぶりに復活したそうです。ジョー小泉さんの小気味の良い名物解説を聞きたいなら、これを機会にWOWOWに加入するのもオススメです。

 

まとめ

井上尚弥ばかりにスポットが当たりがちですが、フィリピンの英雄であるノニト・ドネアのこれまでの輝かしい戦績やその強さ、人柄を知ることで当日の観戦がより楽しく興奮したものになることは間違いありません!!ドネアが井上尚弥を倒し再び、世界中のボクシングファンを驚嘆させるのか?井上尚弥がパウドフォーパウンドの名声を盤石にした試合として、後世に語り継がれる一戦となるのか、自分の目で確かめましょう。

 

以上

ナス・カズオでした。

 

 

*1: WOWOWエキサイトマッチで91年の開始から解説を行なっている、日本のボクシング解説者兼プローモーター。ボクシングフィルムの収集家でもあり、その豊富な観戦経験から打ち出される独自のボクシング理論は初心者にもわかりやすく、選手のバックボーンや裏話まで披露する解説は非常に人気である